Illustratorのメニューバーの中にある効果はオブジェクトに特殊な加工を加えるときによく使いますが、どんな機能が詰まっているのかほとんど使ったことがないから分からないという人もたくさんいると思います。
そこでIllustratorの効果機能について全てどこよりも分かりやすくまとめていきます。

Illustrator効果とPhotoshop効果の違い

メニューバーの効果機能の中には大きく分けて2つ、Illustrator効果とPhotoshop効果があります。
この2つの違いは効果を適用するオブジェクトの扱い方が変わってきます。

Illustrator効果はオブジェクトをそのままベクトルデータとして効果を適用するものでオブジェクトやテキストなどを加工するときによく使われる効果になります。

Photoshop効果はオブジェクトを(写真と同じように)ピクセル画像に変換してピクセルを生成する効果なので、カラーが多い写真や画像を加工するときによく使われる効果になります。
Illustratorで使える効果機能一覧
Illustrator効果
3D
図形・テキスト・写真どれでも適用することができる立体感を生み出す効果。垂直・水平・奥行きで設定するので慣れるまで数値設定が難しいですが、見本をドラッグしながら設定できるので直感的に3Dオブジェクトを作ることができます。

SVGフィルター
SVG(Scalable Vector Graphics)フィルターはXMLで記述されたベクタルデータのSVG形式の画像になります。画像なんですが、ベクタルデータを持つのでズームしてもボケることがありません。
イメージとしてはオブジェクトの上からペンキを塗ったようなイメージでベクトルデータのまま加工してくれます。

SVGフィルターには初期設定で18種類のフィルターがあります。

SVGフィルターの読み込みをすると外部にあるSVGフィルターをダウンロードして使用することも可能です。
スタイライズ
スタイライズはオブジェクトの境界線に対して効果を適用する機能になります。オブジェクトの中身に効果を適用することはないので落書きと角を丸くするでは写真に効果が適用されません。

- ぼかし
- ドロップシャドウ
- 光彩(内側)
- 光彩(外側)
- 落書き
- 角を丸くする
スタイライズ効果は全6種類の効果が搭載されています。


トリムマーク
トリムマークはトンボとも言われ印刷をするときの目安として使用する効果になるので、印刷しない人は使うことはありません。 このトンボは印刷所に入稿するときに仕上がりよりも3mm大きくデータを作るのでその時の目安に使います。
パス
オブジェクトのアウトラインとパスのアウトラインは、オブジェクトに加工をする訳ではなく(仮に)アウトライン化したときどのようになるかを見ることができる効果になります。
パスのオフセットはオブジェクトの境界線を中心に指定したpx分大きくします。
オブジェクトのアウトラインはテキストにパスのアウトラインはパス(線)に使用することが多いです。ただこの2つは実際にアウトライン化をするのではなく、『もしもアウトライン化をしたらこう見える』というのが分かる機能になっています。

オブジェクトの中にもオフセットがありますが、こちらのオフセットを適用すると元のオブジェクトとは別にコピーした形でオフセットを適用したオブジェクトが作成されます。
効果のオフセットは指定したオブジェクトにオフセットが適用されます。
パスの変形

- ジグザグ:パスがジグザグになる
- パスの自由変形:自由変形ツールのように自分でパスを自由に変形できる
- パンク・膨張:パスが膨張する
- ラフ:丸く、ジグザグの2種類で線を手書きで書いたようにラフな線になる
- ランダム・ひねり:垂直・水平方向の量を中心にひねる
- 変形:角度から移動方向、開店まで詳細に設定できる
- 旋回:ひねるように指定した角度で変形される


パスファインダー
複数のオブジェクトの重なりを利用してオブジェクトを変形するパスファインダーになります。
- 追加:前面にあるオブジェクトの塗り・線を選択したオブジェクト全てに適用されます。
- 交差:複数の重なった部分だけを残します。そのとき最前面にある塗り・線が適用されます。
- 中マド:交差と反対で重なっていない部分だけを残します。
- 前面オブジェクトで型抜き:前面にあるオブジェクトを使用し背面にある全てのオブジェクトを型抜きます。
- 背面オブジェクトで型抜き:背面にあるオブジェクトを使用し前面にある全てオブジェクトを型抜きます。
- 分割:重なっているオブジェクト全てが分割されて1つのオブジェクトになります。
- 刈り込み:重なりが最前面の以外のオブジェクトを最前面のオブジェクトで型抜きます。
- 合流:同じ色のオブジェクトが全て1つのオブジェクトに合体します。
- 切り抜き:最前面のオブジェクトを使用し、その下全てのオブジェクトと被っている部分だけを切り抜き、背面の塗りと線が適用されます。
- アウトライン:選択したオブジェクトが全てアウトライン化され重なり関係なく境界線で分割される
- 濃い混色:選択した複数の一番濃い色を中心に色を混ぜます。
- 薄い混色:選択した複数の一番薄い色を中心に色を混ぜます。
- トラップ:印刷ズレを防ぐために行う設定であらかじめ色を被せるときに使用します。


下の記事で詳しい使い方をまとめているのでぜひ参考にしてください。
【Illustrator】パスファインダーとは?使い方とパネルの見方を解説
ラスタライズ
ベクトルデータを持つオブジェクトをビットマップ画像に変換してくれる効果です。
違いをはっきり分かるように変換後の解像度を落としていますが、ラスタライズ設定パネルでカラーや解像度など変更することができます。

ワープ
図形・テキスト・写真など関係なくオブジェクトを変形してくれるワープ効果。上のワープ効果を見るとわかりますがテキストや写真の中身ごと効果が適用されるので使うときは注意が必要になります。

形状に変換
図形オブジェクトの見た目を長方形・角丸長方形・楕円形に変換してくれる効果。アウトラインで見てみると元の図形の形状を保ったままになっています。
印刷をするときは他の環境でデータを開くときは、アウトラインの情報を元に扱うことが多いので注意が必要。
Photoshop効果
効果ギャラリー
写真の素材や質感を変えてくれる効果ギャラリー。オブジェクトやテキストにも適用することはできます。
全ての効果をまとめましたが、写真が小さいと違いが分からないことも多いかもしれませんがしっかりズームすると違いが分かると思いますよ。

それぞれの設定で適用する効果の度合いを変更しながらプレビューで適用するオブジェクトの変化を見ることができます。
ぼかし
Photoshop効果では写真内にガウス、放射状、詳細の3つの種類のぼかしをかけることができます。
【Illustrator】ぼかしの使い方とは?2種類をぼかしをしっかり使い分ける
アーティスティック
Photoshop効果では写真内にガウス、放射状、詳細の3つの種類のぼかしをかけることができます。
スケッチ
効果ギャラリーの中の効果の1つ。テクスチャ
効果ギャラリーの中の効果の1つ。ビデオ
Illustratorではほとんど使用することがないビデオ。テレビ再生のときに使うカラーを制限したり色が滲むのを防ぎます。
ピクセレート
カラーハーフトーン、メディティント、水晶、点描の4種類のピクセレートが用意されています。
効果ギャラリーで使える効果と比較してもこちらのピクセレートの方が写真の雰囲気を大きく変えるときに有効で1ピクセル(1粒)ごとの設定をすることができます。
ブラシストローク
効果ギャラリーの中の効果の1つ。変形
効果ギャラリーの中の効果の1つ。表現手法
効果ギャラリーの中の効果の1つ。まとめ
Illustratorのメニューバーで使える効果機能について全てご紹介しました。
どこよりも詳しく説明しpdfで適用した後の図解も載せているので、分からなくなったらぜひこのページを見て復習しながら徐々にIllustratorで使える効果を習得してください。
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